2007年10月19日

パトレイバー2 レビュー

 もう痛いほどに推してるパトレイバー2なのに、ここでレビューを書いてないのでいっそ書いてしまいます(笑)
 前の日記で真面目な作品を紹介したのに、すぐにアニメを紹介するのが私という人間(笑)。

 舞台は1999年、PKOで派遣された陸上自衛隊レイバー(labor、本作ではガンダムみたいな人型ロボットと言う認識で可)部隊がゲリラの攻撃を受け、交戦許可を得られず支援も間に合わない状況で全滅するところから始まる。生き残ったのは部隊長の柘植だけであった。

 それから数年後、日本で特車2課(警視庁のレイバー部隊)の南雲隊長の目の前で横浜ベイブリッヂが米軍のF16により爆撃により破壊される事件が発生。この事態を収拾すべく、防衛庁から荒川(声・竹中直人)なる人物が特車2課の2人の隊長、後藤&南雲に接触を図る。

 荒川が、この事件は日本の国防意識に疑問を持った柘植の仕業であるとし、特車2課に捜査を依頼している最中、第二の事件が発生する。爆装した航空自衛隊のF16が3機、三沢から首都圏へ南下中だというのだ。迎撃に出た航空自衛隊所属の要撃機が撃墜され、ついには首都圏へ侵入され、撃墜命令を出したところで、実際にはそのようなF16は存在せず、これは柘植が巧妙にバッジシステム(空自の防空指揮管制システム)へハッキングしてそのように見せかけた虚構であることが判明する(もちろん迎撃に出た要撃機も撃墜されていない)。

 この事態に対し、警察は航空自衛隊・三沢基地の基地指令を拘束するとともに首都圏の陸上自衛隊駐屯地を包囲する警備出動という軽率な行動をする。これは警察権力が混乱に乗じて権限の拡大を図ろうとしての行動であった。

 もちろん事態は好転せず(柘植は自衛隊の意志で動いてるわけではない)、在日米軍の圧力もあって政府は事態の悪化を警察に押し付け、陸上自衛隊の「信用の置ける部隊」に治安出動を発令。首都東京に陸上自衛隊が展開し、一種の戒厳状況となるがその中には柘植に同調する部隊も含まれており・・・。

 とまぁあらすじはこんなところです。
 
 これだけ見るともうどこをどう見てもシナリオ自体は実写映画でやって完全に大人向けにすべきところなのかもしれませんが、逆に映像としちゃアニメでしかできないのですね(RPGでPKOの陸自が壊滅したり、F-16が爆撃したり、武装ヘリが首都の主要交通・通信網を破壊したり。)

 この作品が公開されたのは93年。製作・構想となるとそれよりも前なのだから凄い。有事法制整ってないどころか議論が活発になり始めた頃なんで自衛隊が治安出動するなんてお話は基本的に荒唐無稽に近いものだったはず。さらに一歩進んで戒厳令なんてところまで言及してるからこれまた想像の域を超えてる。

 まぁこの時期には当然出てきたであろう治安出動の無謀さは無視してるけどね。(当時は根幹となる法律がないので様々な場面でアホらしい問題が続出する。たとえば自衛隊の車両が道路を使う際に道路に関する数々の法律をクリアするのに煩雑な事務手続きが必要。他にも土地の使用、火薬の備蓄、通信電波の使用etc。ちなみに踊る大捜査線movie2でも青島の「レインボーブリッヂ封鎖できません!」ってセリフはこの手の問題から発生してる)

 戦術的に見ても単純に自衛隊と警察がドンパチやるなんてことはなく、ハッキングやジャミングを使った電子戦が主体なので現代戦と言う感じが出まくっている。ドンパチやりまくって盛り上げないといかんロボットアニメとしちゃ自殺行為ですな(笑)

 もちろん冒頭のPKOはカンボジアPKOを想定している。映画の場面としては簡潔に終わるけれど、実際カンボジアで、自衛隊がその送り出した側の無責任によって単なる銃弾の的という事態が起こってもおかしくなかったという思いも製作者はこめていると思う。

 さらには最後の場面で「破壊活動防止法」という法律まで持ち出してくる始末。オウム真理教の事件でにわかに議論が盛んになったが、もちろんこの作品はオウム事件の前。まぁ押井さんは学生運動の残滓があった世代なのでこの法律自体はそこで馴染みがあったんだろうけど。

 最後に、この映画の一番の見所はやはり、後藤と荒川が「正義の戦争、不正義の平和」「この平和とは何なのか」ということについて語り合うシーンが見所であり、今を生きる我々に対する痛烈な問いかけであると思うのです。

 時代を先取りしているため、2007年も終わろうかと言う現在でも一見の価値はあります(逆に言えば15年たっても国民の意識は何もかわっちゃいないということだが)。アニメに興味がない方でも、国防や平和といった問題に興味のある方は確実にストーリーは引き込まれるものがあるはずです。

 個人的にストーリーとしちゃ亡国のイージスに似てるが、亡国はいらん親子愛も主題なので、こっちのほうが国防や平和について直球勝負という感がありますですはい。
posted by nyago at 02:15| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | TV・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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